【報告】福島県富岡町旧警戒区域スタディツアーを実施しました


梅雨の谷間の6月12日(日)、“被災地の今を知る”ことを目的に「福島県富岡町旧警戒区域スタディツアー」にいってきました。避難者・支援者あわせて14名の参加がありました。

富岡町は町民約1万5千人が避難されています。私たちの神奈川県にも約400名と多くの方がお住まいで、慣れない土地での生活も5年目を迎えています。
現地では、「富岡町3・11を語る会」の語り人 田中美奈子さんのご案内で、富岡町各所を浜通り交通のバスでめぐり、富岡町の現状を確認しました。
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かつての富岡町駅前は、いまは土台を残すのみとなっていました。今年1月には残されていたかつての駅前の旅館や商店の建物も、すべて片づけられ平地となっていました。ぽつりとモニタリングポストが線量を表示している、もの悲しい風景でした。
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語り人の田中さんから、途中福島第二原子力発電所を望む風景を見ながら「ここで作られた電力はどこに送られているか知っていますか?」という問いかけから、富岡町を含む双葉郡全体が首都圏への電気の供給基地であることの説明がありました。参加者は皆、知識としてはわかっている者ばかりでしたが、あらためて被災された当事者からのお話に“私たちも当事者である”ことをあらためて考えさせられました。

草ぼうぼうの荒れた田んぼを通り過ぎて町中に入ると、道路一本を隔てて片側はフェンスで閉鎖され立ち入り禁止の地区、片側は何もなかったような住宅地の風景が広がっていましたがどのお宅もカーテンが閉まっていました。除染のおかげか道路もきれいに掃除されているかのようでした。さらに大きな違和感は、人影がまったくない町であるということ。唯一会ったのは、宮城県から応援にきてパトロールしていた宮城県警の警官だけでした。語り人の田中さんの「きれいな街に誰もいない。でも誰を恨んでも仕方がない」という言葉が心に刺さりました。
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参加者それぞれの思いを胸に「福島県富岡町旧警戒区域スタディツアー」は終了しました。あゆむ会は神奈川近郊に避難されている方々の生活復興をお手伝いする団体ですが、私たちの活動においても被災地の現状や自治体の復興の方針などを踏まえておく必要を強く感じました。

富岡町では復興計画を定め、平成29年4月からの帰還開始を目指しているとのことです。途中立ち寄った「富岡町交流サロン」では、復興計画のイメージパネルが展示され、その絵には楽しそうな子供たちの姿も多く描かれていました。富岡町の早期の復興を祈らずにはいられませんでした。
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